建築家との家づくりにおいて予算を正直に伝えるべきか、それとも少なめに伝えた方が良いのか様々な意見を目にします。
家づくりを終えた私が出した結論は、、
「予算管理が得意そうな建築家には正直に伝える」
「予算管理が苦手そうな建築家には少なめに伝える」
です!
割と普通の結論ではありますが、そう思うに至った我が家の経緯をお伝えします。これから家を建てる方の参考になれば幸いです。
最初は少なめに伝えようとしていた
最初はネットでいろいろな意見を目にして、少なめに伝える方が良いかもな〜とぼんやり考えていました。
しかしその時期に読んでいた「わたしの暮らしにあった家」という本の中に建築家側からの意見として、「予算を伝えるときは正直に伝えて欲しい」と載っていました。
「そうだよな〜。予算を少なめに伝えるって何だか駆け引きみたいで嫌だし、正直な金額を伝えよう」と決意しました。
真っ向勝負だ
予算は2,700〜3,000万円でお願いすることに
最初に建築家の方にメールでコンタクトを取った際には予算(工事費、設計費の合計)は2,400〜2,700万円と伝えました。
その後建築家の内覧会にお邪魔し、軽くお話する機会があったのですが、その時に現在の予算では厳しそうという空気を感じました。
他の建築家を探す時間も気力も残っていなかったので、何とかこちらの建築家で進めたかった私たち。
依頼を断られたくなかったので、予算を300万ほど上げて2,700〜3,000万にしてお願いすることにしました。
敷地面積24坪ほどに建てる小さめの家なので、予算的に少な過ぎるということはないだろうと考えていました。
無事依頼を引き受けていただけることとなりましたが、金額については「この金額で出来ます!」とは言われず、「まずはこの金額を目指してスタートしましょう」というフワッとした始まりでした。
想像以上の見積もりオーバー
その後、基本設計を経て工務店からの見積もりが上がってきました。
(実施設計は仮で建築事務所の標準的な仕様にした前提での見積りです)
工務店2社に見積もりを取った結果…..
A社…500万円オーバー
B社...1300万円オーバー
予算はオーバーするのが当たり前と聞いていたので覚悟はしていましたが、想像以上でした。
せいぜい100〜200万程度だと思っていたので、、。
これはマイッた、、
A社とB社の間に800万円もの開きがあるのも恐ろしかったです、、
「この800万円はクオリティの差なのだろうか?」と不安になりましたが、予算的にA社で進める以外の選択肢はなかったので、A社にお願いすることとしました。
ここから500万円の減額調整作業がスタートしました。
減額調整することで本当にやりたいことが見えてくる?
「減額調整することで本当にやりたいことが見えてくる」だから「減額調整は必要な作業」という意見を目にすることがあります。
冒頭であげた本にもそのようなことが書いてありました。
実際減額作業をしてみて思ったのは「100〜200万円の減額だったら確かにそうかも」ということです。
減らしたり安いものに変更して逆に良かったな〜と思う点もありますし、減らしたことで何ら困っていないこともあります。
なんとなくで入れている設備なども意外と多かったりします。
予算が潤沢だと必要ないものまで全て残してしまうことになりますよね。
その点100〜200万円の減額を行うと、自分たちにとって大切なものは残しつつ、程よく余分なものを捨てられると思います。
200万以上の減額調整は茨の道
しかし、それ以上になると話は変わります。
正直500万円の減額はつらい道のりでした。
取捨選択の「捨てる」項目があまりにも多すぎました。
どんどん削っていかないと目標金額に辿り着けないので、「本当は残したいけど、、」という項目も削っていくしかありません。
減額調整作業に入ってからは打ち合わせも楽しくなくなり、この辺りから設計士さんともイマイチ上手くいかなくなったような気がします。
最終的に500万円の減額はほぼ達成出来ましたが、かなりの希望をカットしましたし、細かい計算、やりとりが必要だったので疲れ果ててしまいました、、。
私達もですが、建築事務所側も大変だったと思います。
予算を少なめに伝えていれば、、
結果論ですが、予算を少なめに伝えておけば設計段階で違った設計になり、予算オーバー額ももう少し抑えられたのではないかと思います。
(設計次第で100〜200万は抑えられると思います。我が家は家の形が複雑な分、高めになってしまったのだと思います)
予算オーバー額がもうちょっと少なければ、ちょうど良い減額調整が行えて家づくりをもっと楽しめたかもしれません。
ただ、予算を少なめに伝えていたら依頼を断られた可能性もあるので難しいところですが、、
まとめ
このような感じで我が家の場合は予算を正直に伝えた結果、予算大幅オーバーとなりその後の家づくりがつらいものになりました。
我が家がお願いした建築事務所は作家性が強く、予算管理はあまり得意でなさそうなイメージは最初からありました。
実際「この予算で出来ます!」と約束されていないのだから、予算内に収めて欲しいというのはこちらのワガママだったのかもしれません。
何となく建築家はハウスメーカーに比べると予算管理が苦手なイメージがありますよね。
しかし予算管理が得意な建築事務所ももちろん存在すると思います。
先にあげた本の著者の建築家さんはきっと予算管理が得意だからこそ正直に伝えて欲しいと思うのでしょう。
「予算管理は得意な方ですか?」とストレートに聞いてみて、その反応次第で予算を正直に伝えるか、少なめに伝えるかを決めてみてもいいかもしれません。
なんとなく「嘘をつくのは気が引けるな」と思うかもしれませんが(実際私はこう思ったので正直に伝えました)、これは悪い嘘ではないと思います。
施主も建築家も苦しくならないための良い方法なのではないかな、と家を建て終えた今は思います。
あくまでも1つの考え方ではありますが、参考になれば幸いです。